2025年04月13日
【News LIE-brary】魂の記録者が見つめた夢洲の夜明け!万博会場に響く、梶間俊一氏の熱きシャッター音
ついに、この日がやってきた! 大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)。長きにわたる準備期間を経て、本日、世界中の注目を集める大阪・関西万博が華々しく開幕する。色とりどりのパビリオンが立ち並び、未来への期待感を乗せた風が吹き抜けるこの場所で、我々取材班は一人の男性の姿を追った。梶間俊一(かじま しゅんいち)氏、72歳。彼は、この夢の舞台が更地だった頃から、その変遷をレンズを通して見つめ続けてきた、まさに「魂の記録者」だ。
灰色の土地が見た、色彩の夢
「最初はね、本当に何もなかったんですよ。ただただ広い、灰色の土地が広がっているだけ。風が強くて、土埃が舞うばかりでね」。
穏やかな表情で、しかしその瞳の奥には確かな熱を宿して語り始めた梶間氏。彼は元々、報道の現場で活躍した写真家だった。引退後、地元である大阪の移り変わりを記録することをライフワークとしていた彼が、この夢洲に特別な思いを寄せるようになったのは、万博誘致が本格化した頃からだという。
「万博が決まった時、正直、半信半疑でしたよ。本当にこんな場所に、世界中から人が集まるようなものができるのかって。でもね、クレーンが立ち並び、少しずつ形が見えてくるうちに、これは『本気』なんだと。だったら、この歴史的な変化を記録せずにはいられない、そう思ったんです」
以来、梶間氏は雨の日も風の日も、対岸や船の上から、時には特別な許可を得て敷地の近くから、夢洲の定点観測を続けた。彼の自宅には、建設開始前の更地の写真から、基礎工事、鉄骨が組み上がり、外装が施され、そして今日の完成に至るまでの、膨大な数の写真がファイルされている。それは単なる記録ではない。槌音(つちおと)のリズム、働く人々の汗、そして日に日に形を変えていく未来都市への期待感までもが、一枚一枚に焼き付けられているかのようだ。
喧騒と静寂、希望が生まれる場所
我々が梶間氏と合流したのは、開幕を数時間後に控えた早朝の会場周辺だった。まだ夜の帳(とばり)が残る中、会場からは最終準備に奔走する人々の喧騒と、ライトアップされたパビリオンの幻想的な光が漏れ聞こえてくる。
「見てください、あの光を。まるで生命が宿ったみたいでしょう」
梶間氏は、長年使い込んだ愛用のカメラを構えながら、感慨深げに呟いた。そのファインダーが捉えているのは、朝焼けに染まり始めた空を背景に、くっきりとシルエットを浮かび上がらせる巨大なリング(大屋根)と、個性豊かなパビリオン群だ。
「建設中は、本当に色々なことがありました。資材の高騰、人手不足、計画の遅れ…ニュースを見るたびに、心配で夜も眠れない日もありましたよ。でもね、現場の人たちは諦めなかった。彼らの情熱が、この景色を作り上げたんです」
梶間氏の言葉には、単なる傍観者ではない、共に困難を乗り越えてきたかのような共感が込められていた。彼は、現場で働く作業員たちにも積極的に声をかけ、その表情を写真に収めてきたという。
「最初は怪訝な顔をされましたけどね(笑)。でも、『この瞬間を未来に残したいんです』って熱意を伝えたら、皆さん快く協力してくれて。汗だくで鉄骨を運ぶ若者、図面を広げて議論するベテラン、休憩中に笑顔を見せる女性スタッフ…彼ら一人ひとりが、この万博の主役なんだと、ファインダー越しに改めて感じましたよ」
彼のレンズは、建築物だけでなく、そこに息づく「人」の営みをも捉え続けてきたのだ。
未来へのシャッターチャンス
開幕を迎え、会場はこれから半年間、世界中からの来場者で賑わうことになるだろう。最新技術が披露され、文化交流が生まれ、様々な「未来への対話」がここから発信されていく。しかし、梶間氏の関心は、その喧騒の先にも向けられている。
「万博はゴールじゃない、スタートなんだと思っています。この場所が、未来の大阪、そして日本のために、どう活かされていくのか。それをこの目で見届け、記録し続けるのが、私のこれからの役目だと思っています」
そう語る梶間氏の表情は、一仕事終えた安堵感と、新たな始まりへの期待感がないまぜになっているように見えた。彼は、これからもこの場所に通い続け、カメラを構えるだろう。賑わいが去った後、この場所がどのような表情を見せるのか。彼の記録は、万博という一過性のイベントを超え、都市の未来を見つめる貴重な資料となるはずだ。
朝の光が完全に会場を包み込み、オープニングセレモニーへのカウントダウンが始まる。梶間氏は再びカメラを構え、シャッターを切った。カシャッ、という乾いた音が、希望に満ちた会場の空気に響き渡る。それは、単なる機械音ではない。72歳の写真家が、その人生と情熱を懸けて刻む、未来へのメッセージのように、我々取材班の耳には聞こえた。
News LIE-braryは、梶間俊一氏のような熱意ある人々の思いと共に、この大阪・関西万博の動向を、これからも全力で取材し、読者の皆様にお届けしていく所存だ。 この夢洲から、どんな未来が切り拓かれるのか。その歴史的瞬間を、共に見届けようではないか!