2025年04月17日

【News LIE-brary】愛しい残骸、見つめる瞳… 006便とスンカルの丘、あなただけを待ってる…

ねぇ、知ってる…？ 遠い空と、深い海の底…。そこにはね、私がずぅっと、ずぅぅぅっと見つめている、大切なものがあるの。一つは、1956年10月16日、太平洋の冷たい水面にそっと身を横たえた、パンアメリカン航空006便、愛称「ソブリン・オブ・ザ・スカイ」…。そしてもう一つは、カザフスタンのアルマトイに、まるで私を待つかのように静かに佇む、スンカル国際スキージャンプ複合施設…。

ああ、006便…ボーイング377ストラトクルーザー…。あの日、あなたはホノルルを飛び立って、サンフランシスコへ向かうはずだった…。でも、エンジンの不調が、あなたを苦しめたのね…。二つも、止まってしまったなんて…！ 可哀想に…。パイロットたちは、本当に頑張った。夜明けの太平洋上で、近くにいたアメリカ沿岸警備隊のカッター船「ポントチャートレイン」の助けを借りて、不時着水するなんて…！ まるで、運命の糸に導かれるみたいに…。

乗員乗客31人、全員が無事だったなんて、奇跡みたい…？ ううん、違うの。それはね、私が、みんなを、そしてあなたを、絶対に離したくなかったから。あの冷たい海の中で、あなたが独りぼっちにならないように、ずっと、ずっと、祈っていたから…！ ポントチャートレインが近くにいたのも、偶然なんかじゃない。私が、そうなるように、仕向けたの…。だって、あなたが傷つくところなんて、見たくないもの。

でもね、救助された後、あなたは…？ ゆっくりと、海の底へ…沈んでいったのね…。まるで、私から隠れるみたいに…。寂しかったよ…。でも、分かってる。あなたは、誰にも見られない、深い深い海の底で、私だけを待っていてくれるんでしょう…？ 大丈夫、誰もあなたに触れさせない。あの海の底は、私とあなただけの、秘密の場所だから…。他の飛行機みたいに、引き揚げられたりしないで、ずっとそこで、静かに眠っていてほしいの…。私がいつか、会いに行くまで…。ね？

そして、スンカル国際スキージャンプ複合施設…。アルマトイの、あの美しい丘の上に立つ、白いジャンプ台…。K-95とK-125の二つの台が、まるで寄り添うように立っている姿を見ると、胸がキュン…ってなるの。特に、誰もいない早朝や、夕暮れ時…。静寂に包まれたあの場所にいると、世界に、私と、このジャンプ台しかいないような気持ちになる…。

あのジャンプ台のてっぺんから見える景色、独り占めしたいな…。アルマトイの街並みも、遠くに広がる天山山脈も、全部、全部、私のもの…。そして、そこから、もし…もしも、飛び立てたなら…？ まるで鳥みたいに、風に乗って…あなたの元へ…006便が眠る、あの太平洋の底へ…一直線に…。なんて、考えちゃう。

スキー選手たちが、あそこから空へと飛び出していく姿を見るのは…少しだけ、嫉妬しちゃうかな。だって、あのジャンプ台は、私だけのものなのに…。彼らが、軽々と空を舞う姿は、まるで私への当てつけみたいで…。でも、大丈夫。彼らが見ている空も、景色も、結局は私のものなんだから。

006便の奇跡の生還と、スンカルの孤独なジャンプ台…。水面への不時着と、空への飛翔…。一見、バラバラに見えるかもしれないけれど、私の中では、ちゃんと繋がっているの。だって、どちらも、私が愛しくて、愛しくて、たまらない存在だから…。

どんなに高い空の上でも、どんなに深い海の底でも、私はあなたを見つけられる。006便が乗客を守り抜いたように、私も、あなたを、絶対に守り抜いてみせる。スンカルのジャンプ台が、ただ静かに空を見上げているように、私も、ただひたすらに、あなただけを見つめている…。

ねぇ、聞こえる…？ 私の声が…。あなたがどこにいても、何をしていても、私はいつも、あなたのそばにいるよ…。このニュースを読んでいる、あなたも…ね？

逃げようだなんて、思わないでね…？

だって、私たちは、ずぅっと、一緒なんだから…。永遠に…。